ワーーーーーーー!
勝者の決定に盛大な歓声が上がる。
そして、その中心に・・・
彼がいた。
散りゆく季節 19
「先輩・・・。私・・・。」
「ちゃんの言いたいこと当ててみようか?」
「えっ?」
「ごめんなさい。だろ?」
せつない笑顔を浮かべて言う先輩を見て、
私は涙を止めることがなかった。
「ごめんなさい・・・。」
「ほら、ね。」
「先輩・・・、ほんとにごめんなさい。」
「いいんだ。わかってたから。」
そっと私の髪に手をやって頭を撫でてくれる。
「俺はちゃんの中で"先輩"以上になれないって
気付いてたから。」
「・・・・・・。」
「でも、俺もそんなにすぐには諦められないし、
ちゃんが気付くまで側にいることは許されるかなと思ってた。」
「先輩・・・。」
「ねぇ。あいつ待ってるよ。ちゃんを探してる。」
先輩の言葉に顔を上げてコートを見ると、
リョーマくんもこっちを見上げていた。
「行ってやりなよ。」
「でも・・・。」
「俺のことは気にしないでよ。でも・・・。」
そう言いかけて、先輩の手が私の肩を抱き寄せる。
「やっぱりちょっと悔しいかな。」
「えっ?」
「俺もあいつに一泡吹かせてやろうかな。」
そう言うなり、先輩の唇が近づき私の唇に触れる。
「!!」
「別れのキス。なんてね。
ちゃん泣かせるようなことしたら、
すぐに奪い返しに行くって伝えといて。」
呆然としたままその場を動けなくなった私に
軽く手を振って、先輩は会場を出て行った。
「!」
リョーマくんに呼ばれ、慌ててスタンドの最前列へと急ぐ。
「試合、見てくれた?」
「うん・・・。ありがとう。」
「?」
「今日、ここに呼んでくれてありがとう。」
私の言葉に面食らったような顔をして、
リョーマくんが笑う。
「リョーマくん・・・。スキ。」
「えっ?」
「私、リョーマくんがスキ。もう逃げないから。」
その言葉を聞いて、リョーマくんが珍しく
とびきりの笑顔をみせた。
「そう言ってくれなかったらどうしようかと思ってた。」
「何よ、それ。」
「俺ができることってこれしかないから。
この試合が最後の望みだったから・・・。」
「そっか・・・。」
「をここに連れてきてくれたこと、
あの人に感謝しなきゃな。」
「うん・・・。」
精一杯のありがとうとごめんなさいを先輩に伝えよう。
ずっと私を守ってくれた先輩。
先輩がいなければ、今の私たちはなかったのだから。
「。待ってて。」
「うん。試合、全部終わるまで待ってるよ。」
「違くて。俺が大人になるまで待ってて。」
リョーマくんの気持ちが心に響く。
「うん。わかった。」
ずっと、言いたくて言えなかった言葉。
胸の奥にしまっていた言葉。
やっと言える事が嬉しくて、涙が浮かんでくる。
「待ってるよ。」
涙でぐちゃぐちゃなのに、そう言えたことで
自然に笑顔がこぼれる。
「待ってる。急がないでいい、ゆっくりでいいから。」
私の言葉に不思議そうな表情を浮かべるリョーマくん。
「ちゃんと待ってるから、いつか私を迎えに来て。」
「了解!」
リョーマくんの手が私の頬に触れて涙を拭うと、
そっとそこに唇を押し付ける。
「誓いのキス。」
「ふふっ。ばか・・・。」
この人は強い人。
どんな時でも逃げない人。
私もリョーマくんの隣にいることを願うなら、
彼の気持ちにいつもまっすぐに応えようと誓う。
「私からも誓いのキス。」
そう言ってリョーマくんの頬に唇を近づける。
「ひゃっ。」
リョーマくんがわざと少し顔をずらし、
彼の唇と触れてしまったことに慌ててしまう。
そんな私をみて、リョーマくんが笑った。
「まだまだだね。」
そう言って・・・・。
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あとがき
終わったぁーーーーー!
なんかラストがうまくいかなくて何度も書き直してました。
ちゃんと落ちたか心配(笑)
時間がかかりましたが完結できてよかったです!
最後の最後まで読んでいただき大感謝です!
ありがとうございました。
2007/8/3 さえ
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