今日もまた1日が終わる。



結局学校には行けなかった。









この冷え切った家に閉じこもったまま







あたしの人生は終わるのかもしれない。















はじまりのうた 1














パパは単身赴任で大阪にいる。
もうあっちに行って2年になる。


ママも仕事で夜は遅い。
でも、あたしは知ってる。

帰りが遅いのは他に理由があることを。



お兄ちゃんは大学生。
サークルやら飲み会やらで帰ってくる日のほうが少ない。

たまに家で会っても会話はない。

あたしに興味がないのだろう。





家族なんて名ばかりのそんな家庭。






中学に入ってすぐ、あたしは学校に行けなくなった。



いじめられたわけじゃない。



学校に行く意味がわからなくなっただけ。




勉強して何になるんだろう?

頑張ったって、つまらない、くだらない、大人になるだけなのに。









毎晩、ベッドの中で考える。


家族なんていらない。
あたしなんて生きてたってなんの意味もない。
























消えてしまえたらいいのに……って。




































「…んっ。」




眩しい光を感じて身を捩る。


もう朝かぁ。


朝なんて来なくていいのに。

またつまらない1日が始まってしまう。





現実に目を背けようと寝返りをうとうとしたあたしは
体の自由が利かないことに気付いた。





??????????





なんか抱きしめられてるみたいでキモチイイ……。
小さい頃はママもパパもお兄ちゃんもいっつもぎゅってしてくれた。

なんだか思い出しちゃうな。







って…………。











まて?

ちょっと、まって?




えっ?!
はっ?!





何?!?!?!?!?!





バッチリ覚醒したあたしの目に飛び込んできたのは
金色のふわふわだった。

















「キャーーーーーー!!!!」



男?

と思うと同時に絶叫してしまう。








誰?

いやあ!助けて!!




あたしを取り囲む腕から逃れようと必死にもがく。
でも相手の男も私を離すまいと腕の力を強くする。





こ、怖いよぉ〜。




「ぅっ、ぅっ。ひっく…。」


傷害。
強盗。
強姦。
殺人。


物騒な単語が頭の中をよぎっていく。






さーっと血の気が引いていく感覚の中で、バタバタと足音が聞こえた。










「ジロー。おまえ、何しとんねん。」
「部活サボるのは勝手だけどな、他人を巻き込むんじゃねぇ!」
「だって、この子が気持ちよさそうに寝てたから〜。
俺もねむくなっちゃって〜。」
「「お前が眠いのはいつもだろ(やろ)!!」」





ギャーギャー騒ぎながら、言い合いをしている男の人たち。




そのうちの一人、メガネをかけた関西弁の男の人が、
あたしを抱きしめていた人の手から救い出してくれた。





「泣かせてしもうて堪忍な。」
「うっ…、うっ…。」



まだ、あたしの腰に手を回して、離すまいとしているジローと呼ばれた人。
固く組まれた指先を関西弁の人が解いていく。



「いいかげんにしとき、ジロー。」
「ああ〜。枕が…。」




名残惜しそうにジロー(と呼ばれた人)はあたしから腕を離した。
謎の言葉と共に…。



てか、枕って??






あたしのこと?











ジローさんが腕を離した反動であたしは関西弁の人の腕の中に
すっぽりと収まってしまった。



「よしよし、もう泣かんといて。かわいい顔が台無しや。」



がしがしと大きな手があたしの頭を撫でてくれる。
背中もとんとんしてくれる。



再び、小さい頃のことを思い出してしまい、
あたしは彼の胸にしがみついて、わんわん声をあげて泣いてしまった。





























「落ち着いたか?」



ふいに声をかけられ、あたしは振り返った。





綺麗な顔をした男の人があたしを見下ろすように立っていた。

その後ろで、金色のふわふわした髪の毛の男の子が
申し訳なさそうな顔をしてあたしを見ていた。




「ほら、これで涙ふき。」


関西弁の人がハンカチを出しながらにっと笑う。





「あ、ありがとう…ございます。」






なんだか急に恥ずかしくなって、あたしは貸してもらった
ハンカチで顔を隠すようにして、涙を拭いた。






「忍足。お前ドサクサに紛れて手出すな。」
「はいはい。ほんま跡部はうるさいわ〜。」




忍足さんはあたしの背中に回していた手をパッと離し、
耳元でこそっと囁いた。




「この手は離さへんでいいんやで。」



視線の先には、あたしがいつの間にか握っていた忍足さんのシャツの裾があった。

あたしはその言葉に甘えさせてもらうことにする。












「ところで、お前誰だ?見かけねぇ顔だな。」


あたしの顔を良く見ようとしゃがみ込んで話しかけてくる跡部さん。






「あ、あたしは、 。」
?」



綺麗な顔をちょっと歪ませてあたしを見つめる。



「聞いたことねぇな。」


そりゃ、そうだよ。



あたし、学校行ってないもん。







でも、なんで学校?








え?








あれ?







ここ、どこ?












あたし、家で…、自分の部屋で…、寝てたのに…。












なんで、芝生のど真ん中で男の子に囲まれてるの?????

















自分の想像を超えた事態が起こっていることを実感し、
あたしはそこでパタリと意識を手放したのだった。















・・・ next? ・・・











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                    あとがき


    ついに連載はじめてしまいました。
    うおーーー。続くのか??(←えっ( ̄Д ̄;) )
    サクサクは書けないと思うので、気長にお付き合いお願いします。
    そして、ギャグの予定なのになぜか始まり方がシリアス。。。
    大丈夫だろうか?
    さらに、おっしーの関西弁がきっと間違ってます。
    だって江戸っ子なんだもん。(爆)
    というわけで、こんなの絶対言わないという関西弁がありましたら、
    教えてください。ソッコー直しマス。

    最後まで読んでいただきありがとうございました。

    2007/5/11  さえ


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