「誰ですか?この人。」
「クールな日吉でも気になるくらいかわえぇやろ?」
「は!?違いますよ!部室に部外者連れ込んでいいんですかっていう意味で俺は!」
「俺が許可した。」
「部長がですか?」
「跡部ー。何があったんだよ?」
「がっくん、ちょいだまっとき。」
「俺は跡部に聞いたんだよ。クソクソ侑士。」
「俺も知りたいです。部活中なのに何があったんですか?」
「鳳は宍戸と練習続けててええで。」
「俺だけ仲間はずれにしないでください!!」
「それにしてもかわE〜な〜。ちゃん。」
「「「「ちゃん?」」」」
はじまりのうた 2
「ああ、ジローが枕にしとった子や。」
「枕って!膝枕か!?」
「抱き枕や。」
「…………(赤面)。」
「ほんま純情やな、宍戸は。」
「ばっ!俺は、その…。」
わいわいがやがや。
うるさいなぁ。
寝られないじゃん。
せっかくいい気持ちで寝てたのに!
安眠を邪魔するなんて許せないっ!!
「もう!うるさい!!」
誰が騒いでいるのか知らないけど、
あたしはガバッと起き上がると騒いでる面々を睨みつけた。
「あっ♪ちゃん起きた〜。」
起き上がったとたん、金色のふわふわに抱きつかれ、
あたしは再び寝る羽目になった。
後頭部強打しつつ。
「痛ったーい…。」
なんであたしがこんな目に合わなくちゃいけないの?
滲んだ涙をごしごししつつ目を開けると、
にこにこの笑顔がそこにあった。
「ちゃん大丈夫?さっきはごめんね〜。枕にしちゃって。」
枕。
まくら。
マクラ。
はっ!!!
そうだ!!!
「ここはどこーーーーーーーーーーーーーーー?!」
あたしは再び起き上がりながら叫んだのだった・・・。
「ここはテニス部の部室だ。」
「テニス部?」
「まさか、お前、部員200人を誇るうちのテニス部を知らないわけねぇな?」
「なーにが部員200人よ。うちのテニス部がそんなに部員いるわけないじゃない。」
「「「「「「????」」」」」
なぜかこの場に動揺が広がる。
「お前ここの生徒だよな?」
「ちがうわよ。てか、ここどこなの?」
「私立氷帝学園。全国屈指の名門校だ。まさか知らないなんてことねぇな?」
「知らな……。」
言いかけてあたしは固まった。
氷帝?
テニス部?
ジローに忍足に跡部……って、まさか……。
「テニスの王子様ぁ?????」
「は?、お前何言ってんだ?」
「え?だって…。そうでしょ?」
「そうでしょって…。」
顔面蒼白のあたしをみて跡部たちは何やら相談を始めた。
何年か前、まだ、うちが普通の家族してた頃。
お兄ちゃんが読んでた漫画雑誌を時々あたしも読んでいた。
その中にあったテニスを題材にした漫画。
面白いし、登場人物はカッコいいし、結構はまって読んでいた。
そこに出てきた人物が今、目の前にいる。
てか、ありえない。
やばっ。
引きこもりすぎて、ついにあたしおかしくなったのかも。
頭を抱え込んでうんうん唸っているあたしに
忍足さんが声を掛けた。
「ちゃんって何年?俺ら誰もちゃんのこと知らんくてな。」
「あたし、中2です。現実世界では。」
「現実世界?」
「だって、ここ、漫画の中でしょ?」
「、おまえは頭がおかしいのか?アーン?」
「おかしいのはそっちでしょ。なんで跡部があたしと同じ世界にいるのよ〜。
あんたなんかいっつも女の子にキャーキャー言われちゃって、
金持ちで、美形でいかにも漫画のキャラじゃない!」
「なんや、跡部のことよう知ってるんやな?やっぱうちの生徒っちゅうわけか。」
「違うよ、あたしは普通の区立中の生徒だもん。
ここの生徒のわけないじゃない。」
(だいたい、氷帝学園なんて漫画の中だっつうの。
生徒になれるわけないでしょーーーー。)
と、心の中で言ってみる。
「でも、さんうちの制服きてるじゃない。」
鳳の言葉に自分の服装を改めてみてみると、
白いブレザーに青チェックのスカート、赤いネクタイに
胸には(帝)マーク入りの輝くワッペンが!!!
なんで!?
なんでなんでなんでなんで!?!?!?
クエスチョンマークを顔面いっぱいに浮かべながら鳳の顔を見上げると、
彼も困ったような笑顔をうかべた。
「さん困ってるみたいだし、俺、力になるから!」
そう言いながらガシっとあたしの手を掴み、上下に揺する。
「あ、ありがとう。」
「俺も力になるC〜。」
「ジロたん…。はっ。」
ついつい、漫画のキャラのノリでジロたんっていっちゃったっけど、
ここじゃ、先輩になるわけだし、まずいよね。
やば〜と思って俯いたら、
「その呼び方好きかも〜。」
ジロたんはそう言って、あたしをぎゅっと抱きしめた。
ジロたんのふわふわの髪の毛があたしの頬をくすぐる。
「お前らいいかげんにしとけよ。」
「そやそや、抜け駆けはゆるさへんで!」
怒り顔の跡部と忍足に引っぺがされ、
ジロたんと鳳はすごすごと後ろへ下がった。
「とりあえずは俺についてこい。」
「えっ?」
「生徒会室行って名簿見てくる。」
「ああ、そやな。」
「でも、あたし、ここの生徒じゃ…。」
あたしが言いかけたとき、ガチャっと部室のドアが開いた。
「ああ、。ここにいたのか。」
「榊先生!」
突然の顧問の登場に部室にいた全員が驚きの声を発する。
「探していたんだぞ、。」
榊先生があたしを見つめてそう言う。
なんであたしを知ってるんだろう?
「失礼ですが、先生はさんをご存知なんですか?」
跡部がみんなの(もち、あたしも含めて)疑問を代表して問いかけた。
「知ってるも何も、私が手配して今日うちに転校してくることになっていたんだ。」
「転校?」
「ああ、彼女のご両親は私の古くからの友人でね。
彼女の父親の海外転勤が決まって、
彼女はこちらで預かることになったんだよ。」
「そうなんですか。」
「愛する一人娘を一人にするのが心配で、知り合いのところにと思ったんだろう。」
「さ、。早く事務室で手続きを。」
「えっ。でも、あの、人違いじゃ…。」
あたしの問いかけもむなしく榊先生に追い立てられるように
事務室へと連れられていく。
もう、何もかもがおかしい。
パパが海外転勤?
大阪に単身赴任してるけど、海外転勤なんてある職場じゃないのに。
それにママがパパについていく?
ありえない。
あんな冷え切った夫婦なのに。
それに榊先生と古くからの友人?
まさか!
漫画のキャラと友人かよ!
一人娘って言ってたけど、お兄ちゃんはいなくなっちゃったの?
そう、これはきっと。
夢ね。
まだ、あたし寝てるんだ。
さっき2回起きた気もするけど、あれも夢ね。
そうじゃないとおかしいもん。
ありえないことばっか起きてるもん。
夢なら楽しんだっていいよね。
久しぶりの学校。
現実ではあたしは学校に行けないんだもの。
行く意味がわからない。
でも、ここは夢。
楽しもう。
ここにいられるのはきっとあと数時間。
起きたら終わっちゃう、夢の世界だもの。
・・・ next? ・・・
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あとがき
氷帝レギュラー陣登場!
出てない人もいますが、気にせずどうぞ。
準レギュラーで出てる人もいますが、どうか気にせずに。
ギャグと書いておきながら、ギャグの方向へ進んでくれるのか
心配だったりしマス。がんばります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
2007/5/11 さえ
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