私を騙すことなんて、




彼にとっては容易いことだったに違いない。















契約














「日吉見にきたんやろ?」



背後から降ってきた関西弁に驚き振り返る。




「当たりやろ?」




にこにこと人懐っこい笑顔を浮かべているこの人。






忍足先輩・・・。








私はなんと答えればいいのか分からず、曖昧な笑顔を返した。









「隠さなくてもええやん。毎日練習見に来て日吉見てるやろ。
 自分バレバレやで。」
「そ、そうですか・・・。」



やっとしゃべったわ。



そんなことを呟きながら忍足先輩の手が伸びてくる。


「こっち来ぃ。」
「えっ?」


ぐいぐい引っ張られて、私はテニス部員以外は
足を踏み入れることは許されない区域へと入っていく。




「あ、あの。部員以外立ち入り禁止なんじゃ・・・。」
「ええねん、そんなの。」
「でも!」



ルールを破ることは好きではない。



私は忍足先輩の手を振り払い立ち止まった。








「なんやねん。人がせっかく取り持ったろう思うてるのに。」
「えっ!?」
「日吉と接点ないんやろ?自分。」




忍足先輩の言葉は魔物のように私の心を鷲づかみにした。






「別に無理にこいとは言わへんで。」



そう言って、忍足先輩はさっさと部室へと入っていく。





今日はまだ日吉くんの姿をコートで見ていない。
日吉くんも部室の中にいるという事だろうか?

彼を紹介してくれるということだろうか?








でも、なんで私?









テニス部員に好意を寄せている人間は
この学園に沢山いる。



掴みきれない忍足先輩の行動に疑問を抱きながらも、
日吉くんに少しでも近づきたい一心で、
私は忍足先輩が消えた部室の扉に手をかけた。
















「なんや。やっぱり来たんやん。」



開いたドアへ視線を投げ私を一瞥する。

なんと答えていいのか分からず、無言の私に
忍足先輩はゆっくりと近づいてきた。





「なんで私に・・・、声をかけたんですか?」




さっきから考えているが答えが見つからなくて、
私は忍足先輩に問いかける。






忍足先輩は質問には答えずに、
開けっ放しだったドアを閉め、
同時に私を部室内へといざなった。





部室というには豪華すぎる室内。


その一角を占めているソファへ私を座らせると、
忍足先輩はその前のソファに座った。





「何でやと思う?」
「わかりません・・・。私と同じような子いっぱいいるし。」
「そうやな。でも・・・。」


そこで一度言葉を区切って、私の顔を見つめる。







「俺はただのええ人やないって考えたらどうや?」










先輩の言葉の意味を図りかねて、
私は先輩を見つめた。









「日吉と取り持つなんて、ただここへ連れ込む為の
 口実やったらどうする? ちゃん。」











そんな言葉と共に忍足先輩の手がぐっと伸びてきて、
私の腕を掴む。



「ひゃっ!?」




突然のことに驚いて硬直した私をみて、
先輩がおかしそうに顔を歪ませる。




「日吉と上手くいくんをただ黙って見てるんも癪やしな。」
「なっ!!」
「先に動いたほうが勝ちってことや。」





先輩の目的をようやく理解し、背中を冷や汗が伝う。

私、なんてばかなんだろう。




日吉くんを紹介してくれるなんて、
そんな都合のいいことあるわけないのに・・・。



後悔してももう遅かった。

握られた腕がキリキリと悲鳴を上げる。




痛い・・・。
怖い・・・。


逃げなくちゃ。




ここから逃げなくちゃ・・・。









でも、気持ちばかり焦って、体が上手く動かない。




私の心の中を見透かしたかのように、忍足先輩が言う。









「せっかく飛び込んできたんや。逃がさへんで。」












先輩の手を振り払って、ドアへと駆け出した私だったが、
すぐにそれが無駄な行動だったと悟る。




ドアノブへ手をかけようとした寸前で、
背後から抱きしめられ両手首を掴まれる。





「やっ!!」


ジタバタと暴れたところで小柄な私が勝てる筈もなく、
ドア横の壁へと押し付けられた。




「やっ!離して!!」
「へ〜。泣き顔もかわええやん。」
「離して!!お願い。離してください!」



眼鏡の奥の瞳が満足げに私を見つめていた。




「抵抗されたほうが燃えるんやで。」



そう言うなり、私の唇を塞ぐ。





「んん!!や!いやぁーー!」



唇の隙間から舌を差し込み、
私の口内を犯していく。




「いやっ!忍足先輩離して!!」
「そんな大声出したら人来るで。」



先輩の一言に脳裏に日吉くんが浮かび、私は口を噤んだ。




「そや。ええ子にしとったらいい思いさしたるわ。」




私の両手首を片手で押さえつけ、
先輩はあいた手をスカートの裾から差し込んでくる。



「ひっ・・・。」
ちゃん。やさしくしたるからそないにビビらんでええで。」
「やっ。やぁ・・・。」




忍足先輩の長い指がそっと下着のラインをなぞっていく。




「やめて・・・。触らないで!」



外に聞こえないように押し殺した声でそう叫び、
精一杯身を捩る。




「触らないで言われてもなぁ・・・。こないにいい体してたら
 それは無理っちゅう話やで。」




ニヤニヤと私の反応を見ながら、
スカートの中を撫で回していく先輩の手。



「肌キレイやなぁ。色白い子好きやねん。」



先輩の唇が私の首筋をかすめ、全身が粟立つ。



「あぁっ・・・。んっ・・・。」
「なんや。ええ声だせるやん。」
「やっ。違う・・・。」
「この辺が感じるみたいやな。」




首筋に押し付けられた先輩の唇が熱い。



「あっ。はぅ。やぁぁ・・・。」
「もっと啼いて。」



下半身の手は下着の中に潜り込み、
やわやわとヒップを揉みしだき、徐々に前へとのびてくる。









ぴちゃ。







そんな音が私の中から聞こえてくるなんて、
思いもしなかった。




嫌なのに・・・。


どうして・・・。








ちゃん、感度ええねんな。」


わざと水音を立てて、私の羞恥心を煽りながら、
先輩は何度もそこを擦りあげる。




「も、もう。だめぇ・・・。」
「何ゆうてんの。これからやで。」
「いやあ。だめぇ・・・。」
「こないに濡らしてんのに止めてもええの?」



コクコクと頷く私に悪魔の囁きが聞こえる。









「そなら、ここで止めてもええで。




 でも・・・、





 俺の玩具になる約束してからや。」






私から溢れ出た蜜をすくい取って、
ぷっくりと膨らんだ場所に塗りつける。



「はぁっ!!いやぁ・・・。そこ、だめぇ・・・。」
「じゃ、約束してや。は俺の玩具やって。」
「いやあ!」
「約束できひんのやったら、今ここで犯すで。」
「やっ。いや・・・。」
「どっちも嫌はあかんで。ちゃんに選ばしたるんやで。」





眼鏡の奥の瞳が私を見据えていた。


ゆっくりやさしい口調で私を諭すように語り掛けてくるのに。




怖い。



この人、怖い・・・。



この人の手に落ちたら・・・。


もう戻れない気がする・・・。




分かっているのに。

でも、私は目の前の現実から逃れたくて言ってしまった。








「先輩の言うこと聞くから・・・、





 離して・・・。







 離してください・・・。」



と・・・。













・・・ next? ・・・










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                    あとがき


    裏ページ初作品です。
    オリジナルのほうでエロは書いていたのですが、
    やっぱりテニプリでも書きたくて、裏部屋を作ってしまいました。
    管理人は最後まで行く途中で書いているうちに冷めちゃうんですよね〜。
    そこに持って行くまでの過程がスキというか・・・。
    嫌よ嫌よも好きのうちというか・・・(は?)
    そして、忍足さんの関西弁が不安です。大丈夫でしょうか?
    関西の方が読んだら違和感ありありなのかな?

    最後まで読んでいただきありがとうございました。

    2007/5/21  さえ


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