「ほんとにご馳走様でした。」
車から降り、窓から顔を覗かせている先輩にそう挨拶する。
「いや。よかったらまた食事付き合ってよ。」
「私なんかでよければ。」
「ちゃんさ、私なんかっていう言葉使うのやめなよ。」
「え?」
「俺はちゃんだから誘ってるってこと。」
そう言うなり、先輩から名刺が差し出される。
「裏にプライベートのアドレス書いてあるから。」
「あ、はい。」
「いつでも連絡して。」
「はい・・・。」
「じゃ、おやすみ。」
先輩の車が静かに動き出す。
名刺と先輩の車を交互に見つめたあと、
私はそっと財布の中に名刺をしまった。
散りゆく季節 4
「リョーマくん。」
「何?」
「機嫌悪い?」
私が部屋に入ってから一言も話さない彼にそう尋ねる。
「どうしてそう思うの?」
だって・・・。
私がテニスの試合を見に行くという約束をすっぽかしたから。
「ごめんなさい。」
「何が?」
「だから試合。見にいけなくてごめんね。」
「最初から来る気なかったんじゃない?」
「ちがっ。違うよ。会場までは行ったの。あの日。」
「へ〜、よくそんな嘘つけるね。」
「嘘じゃないよ。」
ひどく冷たい目で見つめられて、私は凍りついた。
「ほんとだよ。」
「じゃあ、証拠見せてよ。」
「証拠なんて・・・。」
「ないんでしょ。」
「・・・・・・。」
リョーマくんがどうしてこんなに怒っているのか、
さっぱり訳がわからない。
そりゃ、約束すっぽかしたのは悪いと思ってるけど、
こっちにだって言い分はある。
でも、"自分が惨めになったから"なんて理由言えないよ。
「本当にごめんね。やっぱり許してもらえないよね。」
リョーマくんのかなりの怒りっぷりに、
今日は授業にならないと思い、私は帰り支度を始めた。
「今日は中止にするって、私からおじさまに伝えておくから。」
そう言って自分のカバンに伸ばした手を、
リョーマくんが押さえつける。
「きゃっ。」
「逃げんの?」
「えっ?何言って・・・。」
「なんで約束破ったんだよ!」
「それは・・・、ごめん。本当にごめんなさい。」
「そんな言葉聞きたくない。」
今にも泣き出しそうな顔をして、
リョーマくんが私を抱きしめる。
「あの日、試合に勝ったら言いたいことがあった。」
「・・・・・・。」
「俺はのことが・・・。」
「やっ!聞きたくない!!」
リョーマくんが言いかけた言葉遮って、
そして私はリョーマくんの手を振り払い、
部屋を飛び出していた。
・・・ next? ・・・
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あとがき
リョマの目は色気があると思う。
中学生なのにねぇ・・・。
想像するだけでやばいっす。
冷たい目も泣きそうな目もどちらも女心捉えまくりだと思う。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
2007/6/15 さえ
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