「ちゃん?」
ふいに声をかけられて、涙の痕が残る顔を上げると、
冬吾先輩が立っていた。
散りゆく季節 6
「先輩・・・。なんで・・・?」
「ちゃん全然連絡くれないからきちゃったよ。」
照れ笑いのような笑顔を浮かべて先輩が言う。
「なんかあった?」
頼っちゃいけないって分かっているのに、
私の頭がコクンと頷く。
「じゃ、少しドライブでもしようか?気分転換に。」
頬に残る雫をそっと指で拭い、私に笑いかける先輩。
先輩の笑顔を見て私は素直に頷いていた。
先輩の車の助手席に座り、流れていく景色を只眺めていた。
先輩は何も聞いてこない。
私は少し面食らって、逆に先輩に尋ねた。
「何も聞かないんですね。」
「聞いて欲しい?」
「自分でもどっちなのかわかりません。」
「そう、じゃあ俺からは聞かない。
でも、ちゃんが話したくなったらいつでも聞くよ。」
「今は・・・、まだ話せそうにないです。」
「うん。」
「でも、こうやって隣に誰かいてくれるだけで、
落ち着くものなんですね。」
「少しは役に立てたかな。」
「少しなんてとんでもない!本当に先輩がきてくれて助かりました。
あのまま一人でいたら辛かったと思う。」
「うん。家に入れないんじゃね〜。」
ちゃかすように先輩が言う。
「そこじゃないですって!辛いのは・・・。」
「でも、真面目な話、一晩家の前にいる気だったの?」
「はい。お金もないし、どこも行けないじゃないですか。」
「ん〜。じゃあ、今日は俺んち来る?」
「・・・・・・えっ?」
「俺、一人暮らしだし、何が起こっても自己責任でだけど。」
「ははは・・・。」
先輩の言葉をどう捉えればいいのかよく分からない。
「どうする?」
私の瞳を覗き込み、試すような視線を送ってくる。
「先輩、前見てください〜。危ないですって!」
「来るなら次、右なんだけど。」
「えっ?!あ、ぅ、じゃ、じゃあお邪魔します。」
「了解。」
車線変更し、右折レーンに入ると、
先輩が急に真面目な顔になって言った。
「自己責任だからね。」
・・・ next? ・・・
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あとがき
またまた跡部 冬吾登場!
べ様の従兄設定ですが、べ様よりいい人仕様です(笑)
でも冬吾先輩の家に行っちゃっていいんでしょうかね〜。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
2007/6/15 さえ
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