先輩の部屋に一晩泊めてもらって、
さらに翌朝、家まで送ってもらった。
散りゆく季節 8
「本当にありがとうございました。
たくさんたくさんご迷惑をおかけして・・・。」
「ちゃんに関することは迷惑だなんて思わないよ。
それに俺が紳士だってよくわかったでしょ。」
「あはは。はい。」
昨夜先輩は、私にベッドを明け渡し、
自分はリビングのソファで寝てくれたのだった。
「体、痛くないですか?」
「ん?大丈夫。そんなヤワじゃないって。」
ビシッとスーツを着込んだ先輩が
二カッと笑って言う。
「さ、どうぞ。」
わざわざ車から降り、外側からドアを開けてくれる。
「あ、ありがとうございます。」
「管理会社って何時から?」
「ん〜。マンションの入り口に書いてあったと思うんですけど。」
そう言って、先輩と連れ立って自動ドアをくぐった私の目に
小さな影が映り、私はそこで歩みを止めた。
「リョーマくん・・・。」
彼は私が置き忘れたカバンを手に持ち、
ポストの下にしゃがみ込んでいた。
「これ。」
ぶっきら棒に突き出したカバンを受け取る。
「あ、ありがと。」
「彼氏いたんだ。」
私の斜め後ろにいる冬吾先輩を睨みながら、
リョーマくんが言う。
「か、彼氏じゃないよ。大学の先輩。」
「ふーん。でも家に泊めてもらう関係ってことでしょ。」
「き、昨日はたまたま。先輩の好意で・・・。」
「別に言い訳しなくたっていいじゃん。
俺たちだって只の家庭教師と生徒なんでしょ?」
リョーマくんの言葉に目の前が真っ白になる。
「ちゃんがカテキョしてる子?」
固まった私の背後から冬吾先輩が聞いてくる。
「は、はい。」
「もしかして俺たちライバルってことかな?」
「先輩!何を言い出すんです!?」
「へ〜。そっか。」
バチバチと火花が散っている二人の間を断ち切るように、
私は先輩に向かって言う。
「先輩、会社に遅れますって!」
「ああ、そろそろ行くよ。」
先輩が歩き出し、私も慌てて後を追う。
「ちゃんの涙の原因はあの子?」
「・・・・・・。」
「今夜また来るよ。」
無言の私に先輩はそう言うと、
車を出し去っていった。
・・・ next? ・・・
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あとがき
ついに直接対決!!
冬吾さんには大人らしくリョマを軽くあしらって欲しかったのですが、
思いっきりライバル心だしてましたね・・・。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
2007/6/22 さえ
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